IPO(上場)のタイミングと目安とは? | 顧問バンク

コラム

IPO(上場)のタイミングと目安とは?

企業のIPO(上場)について検討しているものの、IPOについてよくわからない、どれくらい前からIPOについて考えれば良いのか知りたいという方もいるのではないでしょうか。

そこで、IPOのタイミングや、IPOを実施すべき企業業績の目安などについてご紹介します。実現までのスケジュールについてもご紹介するので、参考にしてみてください。

企業がIPO(上場)を目指すタイミングとは

IPOを目指すタイミングは企業によって異なりますが、一つの目安となるのがマーケット(市場)の上場基準を満たした場合です。IPOはすべての企業で選択できるわけではなく、マーケットの基準を満たしている企業でなければ審査に通りません。

各マーケットでは以下のように基準が定められています。

上場基準東証一部東証二部/ジャスダックマザーズ
株主数800人以上400人以上150人以上(※1)
流通株式数2万単位以上2,000単位以上1,000単位以上
流通株式時価総額100億円以上10億円以上5億円以上
流通株式数(比率)上場株券等の35%以上上場株券等の25%以上上場株券等の25%以上
時価総額250億円以上
(※1) 上場時までに500単位以上の公募を行う必要がある

これらの条件を満たし、なおかつ上場したほうが自社にとってメリットがある場合は、IPOについて検討してみてはいかがでしょうか。

自社がIPOを目指すタイミングかどうか悩んでいる方のために、上場企業と非上場企業の違いや、上場企業になるメリット・デメリットについてご紹介します。

上場企業と非上場企業の違い

上場企業の場合、株式を証券取引所に公開することで、株式売買による資金調達が可能です。株式の所有者はおもに投資家です。
一方、非上場企業は株式の公開を行っていないため、株式売買による資金調達は行えません。一般的に経営者やその関連会社が株式を所有しており、経営権については経営者が握っている形になります。
また、上場企業の場合は四半期ごとに決算報告書を作成して公開することが定められていますが、非上場企業には求められないのも違いの一つです。

上場企業になるメリット・デメリット

上場企業のメリットとデメリットを比較し、自社にとってメリットが大きいと感じた時がIPOを目指すタイミングといえます。それぞれチェックしてみてください。

メリット

上場企業になる大きなメリットとして挙げられるのが、株式の売買ができることから資金調達の選択肢が増える点です。金融機関からの借り入れだと利息がかかりますが、その心配もありません。株の売買を適切に行うことによりスムーズな資金調達が期待できます。

知名度が高くなることもメリットです。有名になれば会社に興味を持つ人も増え、優秀な人材を採用しやすくなるのは注目すべきメリットといえるでしょう。また、企業が成功を収めれば莫大な利益に繋がるケースもあります。

デメリット

上場のための準備に時間がかかることや、上場後に上場を継続するための維持費がかかるのがデメリットです。早期に準備に着手し、長期的な見通しを持って費用を確保していく必要があります。

また、投資家に株式を買い占められてしまったような場合には、買収のリスクがあることもおさえておかなければなりません。株主の権限が強くなれば会社の方針に反対されることもあり、思い通りの経営ができなくなる可能性があります。

IPOを実施する際の企業業績の目安

IPOを目指すタイミングか判断できずにいるのであれば、実際に上場した他社の業績を参考にしてみると良いでしょう。2020年に新規上場した企業の業績水準について解説します。

東証一部

株式市場の中でも特に審査が厳しいことで知られているのが、東証一部です。
以下の6社が上場しました。

社名売上(百万円)経常利益(百万円)
ローランド(株)63,2474,726
(株)雪国まいたけ50,7596,341
(株)フォーラムエンジニアリング34,5916,341
(株)カーブスホールディングス28,0365,242
(株)ポピンズホールディングス21,5481,360
(株)ダイレクトマーケティングミックス17,213721
※いずれも上場直前期となります。

東証二部

東証一部に比べるとやや審査基準が低くなるのが東証二部です。以下の9社が上場しました。

社名売上(百万円)経常利益(百万円)
リバーホールディングス(株)36,6811,645
(株)ウイルテック22,899939
SANEI(株)21,3461,095
(株)STIフードホールディングス20,644591
(株)ビーイングホールディングス16,219552
日本インシュレーション(株)11,7661,510
木村工機(株)11,0821,478
(株)オーケーエム8,852849
バリオセキュア(株)2,513495

ジャスダック

ジャスダックの市場は、グロースと、グロースよりも審査基準が厳しいスタンダードの2種類に分かれています。上場企業数は、グロースとスタンダードを合わせて14社でした。売上トップと最も低かった企業を紹介します。

まず、売上高です。

社名売上(百万円)
コーユーレンティア(株)19,975
(株)まぐまぐ713

続いて経常利益です。

社社名名経常利益(百万円)
コーユーレンティア(株)475
MITホールディングス(株)113

マザーズ

マザーズは、ベンチャー企業向けの株式市場として知られています。上場した企業は63社です。こちらも数が多いので、売上トップと最も低かった企業をご紹介しましょう。

まず、売上高です。

社名売上(百万円)
(株)I-ne21,206
クリングルファーマ(株)0

続いて経常利益です。

社名経常利益(百万円)
(株)Fast Fitness Japan2,828
ウェルスナビ(株)-2,057

IPOを実現するまでのスケジュール

実際にIPOを実現するにはどのような流れで進めれば良いのか、スケジュールについて解説します。

IPOを実現するためには、最低でも3年間の準備期間を取らなければなりません。将来的にIPOを目指しているのであれば、早い段階から準備をしておきましょう。それぞれの実施事項について確認してみてください。

申請期の3期前(直前前々期)

申請期の3期前である直前前々期には、IPO成功をサポートしてくれるIPOコンサルタントを選定しましょう。自社にとってIPOをするメリットやデメリットなども明確に理解できます。

また、専門的な知識を持って準備をしなければならないことから、上場を検討している企業は社内で専属担当チームを組むことが多いです。チームを組まない場合は、株式公開準備担当者を選任するなどして備えましょう。さらには、内部監査を担当する部署も設置します。

担当チームや担当者はIPOコンサルタントからアドバイスを受け、準備を進めていきます。同時に、事業計画についての策定や、過年度のデータ収集など、様々な業務を行わなければなりません。

また、この時期には、監査法人による予備調査を受ける必要があります。予備調査では、会社が現状抱える問題点や、上場における課題の指摘を受けます。
予備調査での指摘事項次第では、上場スケジュールの見直しが必要になるだけでなく、上場に必須である外部監査の担当者などと契約締結できない恐れもあります。IPOコンサルタントと事前に対策しておきましょう。

予備調査が終わったら、外部監査を依頼する外部監査人を選定します。外部監査人を担当するのは、監査法人の場合がほとんどです。

申請期の2期前(直前々期)

申請期の2期前にあたる直前々期では、外部監査が始まります。監査を受ける体制を整えるとともに、予備調査で指摘を受けた事項を改善していかなければなりません。
また、この時期は取締役会を月次開催する必要があります。監査役や社外取締役の出席頻度も、上場時の審査項目なので注意しましょう。
その他、事業計画の見直しや会計制度の整備なども実施する必要があります。

申請期の1期前(直前期)

1期前にあたる直前期では、株主名簿管理人を選定します。株主名簿管理人とは、株主名簿の管理を代行する証券代行業者や信託銀行のことです。株主名簿管理人は、株主名簿の管理はもちろんのこと、株主総会の運営・準備もサポートしてくれます。

また、この時期には市場や証券会社の選定を行います。
その他、会計管理や労務管理、取締役会の運営体制などを、監査法人・証券会社の指導を受けながら調整・運用していきます。

申請期

IPOする年度である申請期では、まず証券会社による引受審査が行われます。引受審査は、「この会社を上場させても本当に大丈夫なのか」という観点から、様々な切り口で慎重に進められます。提出書類が多く、調査の回答期限も厳しく設定されるので、担当者が最も心身ともに疲弊する時期といえるでしょう。

引受審査が終われば、いよいよ証券取引所による上場審査です。書類提出後に2~3ヶ月かけて、書類審査や質疑応答、現地調査、社長ヒアリングなどを受けます。承認がおりれば、ようやくIPOを実現できる流れです。

このように、IPOまでには非常に多くの工程が設けられており、担当チームや担当者だけでは遂行できるものではありません。すべて任せきりにしてしまうのではなく、全社一丸となって取り組んでいくことが重要です。

自社のIPOのタイミングについてはよく見極めが必要

自社でIPOを目指すタイミングの一つの目安として、各マーケットで定めている基準をクリアできた時が挙げられます。企業が大きくなってきた際に、企業戦略の一つとしてIPOを行うメリットは大きいです。
ただ、上場にはデメリットもありますし、実現までに時間がかかります。自社の場合はどのタイミングで行うのが最適なのか、よく検討したうえで取り組んでみてはいかがでしょうか。

   

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